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投稿番号:102304  投稿日:2015年04月23日 05時51分28秒 パスワード
お名前:タケゴン
URL=http://djmoko.tip.ne.jp/moko_slink/102293_99.html
読書倶楽部-2

キーワード:本読んでますか
地域 :その他

「読書倶楽部」が99コメントまでいったので、パート2のスレッドをたてました。

趣旨は「映画鑑賞倶楽部」と同じです。
どんな本を読んで、どんなところが面白かったかをお聞かせください。

読書倶楽部のきまり
「どこが面白かったか」を書くことは、ネタバレせざるをえないんだけど
そのあたりの匙加減は、その本の性質によりけり。
ネタバレしてでも踏み込みたいときは「ネタバレ」とか書いてツッこみましょう(*_*)

[1]タケゴンさんからのコメント(2015年05月14日 06時18分40秒 )
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●ハッピー・リタイアメント 浅田次郎

浅田次郎は著書がいっぱいあって、すんごい小説家であります。
先日、国からも表彰されてましたが、さぞもうかっているのでありましょう。
そんな彼のもとに、すでに時効になってる債権のとりたて人がやってくる・・
そんな、どうやら実話らしいプロローグから始まります。

主人公は元財務省の樋口慎太郎と元自衛隊の大友勉。
元公務員の二人はJAMS(全国中小企業振興会)に56才で再就職します。
しかし、そこは「何も仕事をしなくても良い」ところであった。
やっぱ、天下りできる公務員はええのぅぅ。。。

彼らは「何もしなくても良い」ところに再就職したけれど
そのままでは小説になるハズもなく
「すでに時効になっていて、やらなくても良い債権のとりたて」を始めるわけで
このあたりのテンポの良さは「きんぴか」に似ていてワクワクしてしまいました。
それだけではなくて、マッカーサーが絡むエピソードもあって
浅田小説ならではの浪漫を感じさせてくれます。
ラストの展開は鮮やかです。勢いにまかせて怒濤のペースで活字を追ったら・・
「えっ どーゆこと?」と真相がわからなかったので
2度読みかえしてしまいました(^o^)

それらのシーンは頭の中で鮮明な映像として浮かびあがります。
タケゴンに監督をやらせてくれるならば
樋口慎太郎は中井貴一か佐藤浩一かアベちゃんがええのぅ。
堅物だけど人情味があって、コメディOKな人。
大友勉は渡辺謙(イメージとしては「ラヂオの時間」のときの運転手風)
でも彼は大物になりすぎた感があるから、杉本哲太とか柳葉敏郎でどうだ、、
とはいっても役柄的には少々若いか。
そんなことをいえば、慎ちゃん役も皆少し若すぎるし、
この物語の映画化は困難かと、、ちょっと絶望。

気をとりなおして女優さんはどうか。
葵さんは吉瀬美智子か天海祐希か小川もこ。
ヒナさんは八千草さんか草笛さん、、若いときは能年ちゃんがハマるかもなぁ。

助演の人たちも豪華にいきたい。
ステーキチェーン店の男は大森南朋。競馬場の男は小日向さん。
セレブマダムは清水ミチコ。小説家は浅田次郎、、本人の人。
そんな人たちを思い浮かべて読み進め、脳内妄想映画でも楽しめた一冊でした。

[2]タケゴンさんからのコメント(2015年05月23日 06時59分19秒 )
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●明日はわが身  南田佐智恵

渡辺謙主演の映画「明日の記憶」を夫婦で見にいって
「明日はわが身かもしれないね」といってたご主人が
その2年後に「若年性認知症」と診断されしまう。

「明日の記憶」は、ついこの間公開されたような気がしますが
認知症を発症してから普通の生活ができなくなっていく様子が赤裸々です。
症状は、日々少しずつ進んでいくので毎日接していると
変化に気づきにくいのかもしれないけれど、こうやって文章で綴られていると
「若年性認知症」の進行の早さ、恐さに慄然としてしまいます。

最近、もの忘れが多い(昔からもの忘れが多いけど)タケゴンは
その当事者になるかもしれない恐怖感で心に汗をかきました。

私は介護施設に勤めてますが、彼女のクレームには一部反論したくなったりもしました。
クレーマーになりかけた彼女の反省の弁も書かれているけれど
私が父の全てを病院に「まかせた」ときに見た
とある光景にショックを受けたことを思い出せば
この人の心情も、とてもよく理解できます。
介護職員の立場からも心に汗をかいてしまいました。

私の勤務先にも「若年性の」利用者さんがおられます。
職員の中では私が最も歳が近いこと
「もこりすと」として当もこ伝にて優しい心を切磋琢磨してきたこともあってか
ご家族や利用者さんにウケがよいのだけれど(いゃ、ホントっす)
今後も頼られる職員でありたいと
心のフンドシを締めなおすチカラにもなった一冊でした。

[3]タケゴンさんからのコメント(2015年06月09日 20時29分20秒 )
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●怪獣文藝の逆襲 東雅夫 編

小説ほど怪獣にふさわしいメディアはないんじゃなかろうか。
というのは、この本を発見したときのインパクトだったのですが
読んでみて確信に変わりました。本書は「怪獣」をネタにした短編集です。
樋口真嗣、園子温は知っているけれど、知らない人が書いた小説も面白かったです。

なかでも『「聖獣戦記 白い影」:井上伸一郎』これは蒙古襲来がネタになっています。
物語の冒頭に当時の世界情勢と日本が侵攻される理由などにも軽く触れられていて
怪獣小説なのに(「なのに」といっては失礼ですね)本格的です。
舞台設定の輪郭が鮮やかになると青い空と水平線。
そこに浮かぶ無数の舟が頭の中のスクリーンに描き出され
勇敢に戦う主人公たちの姿も目に浮かびました。
(イメージしやすかったのは「蒙古襲来の絵画」を もこさんの説明で鑑賞したのもあります)
大国から攻められる理不尽さ、恐怖、緊迫感を味わいつつ、物語は進み
そして「神風」の正体がやがて明らかに・・・ああ、、映画で観てみたい。。。

>小説ほど怪獣にふさわしいメディアはない
とはいったものの、コレはやはり映画で観てみたいものです。
著者をネットで調べたところ、角川関係の人のようなので、ぜひともお願いしたい。
併映で園子温の「孤独な怪獣」もATG風なノリでよしなに<(_ _)>

[4]タケゴンさんからのコメント(2015年06月25日 06時09分01秒 )
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●最強の介護職、最幸の介護術 山口晃弘

本書は「“燃える闘魂”介護士が教える、大介護時代のケアのあり方」っていう副題がついてます。
プロレス好きな介護士(「グループホームの責任者」とのことです)が、実例をあげつつ
介護職の素晴らしさを綴ってます。

「正義なき力は、無能なり。力なき正義は、無能なり。」
という言葉は昔読んだマンガ「空手バカ一代」で大山倍達が言っていて
当時空手部員だったタケゴンの胸に深く届いた言葉だったりしますが
介護の本でまた目にするとは思いませんでした。
この他にもカールゴッチ、長州力、アントニオ猪木の言葉を引用しつつ
介護について熱く語っていて、とても読みやすく、ためになる一冊でありました。

タケゴンも闘魂を燃やして職務にハゲんでゆこうと改めて思いました。

[5]タケゴンさんからのコメント(2015年06月26日 16時39分51秒 )
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●こまってしもうた 忘れてしもうた 安藤りつ

最近、この本のタイトルとほぼ同じ事を利用者さんに言われ
「大丈夫 トシをとれば忘れるのはあたりまえ。心配ないですよ(~o~)」
と、優しく やさし〜く説明してあげたことがありました。
図書館で、あまりにもタイムリーなタイトルだったので手にしてみましたが
介護付き有料老人ホーム(入居金1000万円以上、月々30万円以上)
で働く方のノンフィクションでありました。

プロローグで著者がこの施設で働くことになったいきさつも書かれています。
もとは舞台演劇に携わったり、ライターをしていた方とのことで
職員同士の軋轢や現場での出来事が読みやすい文章で綴られていて面白かった。

ここへの入居はお金持ちじゃないとできないようですが
お金持ちも庶民と同様に認知症になるのだなぁ・・・・
そんな、別のベクトルのことも考えてしまいました。

[6]タケゴンさんからのコメント(2015年06月26日 17時37分29秒 )
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●怪獣文藝 東雅夫 編

「怪獣文藝の逆襲」は面白かった。
「逆襲」ということは、この本はパート2ではないかと思い
検索したら案の定「怪獣文藝」が先に出ていたようです。
で、わくわくしつつページをめくりました。

しかし、怪獣度は「逆襲」の方が高い(あくまでも、個人的感想)。
本書は妖怪、ゾンビ、怪談めいたハナシもあって
そっち方面にはあまり興味がないタケゴン的にはちょっと拍子抜けな雰囲気です。
そんな中、佐野史郎の「ナミ」は期待どおりの内容で面白かった。
え?、佐野史郎、、、、俳優と同じ名前の小説家なので?
と思いましたが、どうやら本人の人で彼は熱烈な怪獣ファンなのだそうです。
また、「大怪獣対談Part1」では「ゴジラ」について熱く語っていて
怪獣への愛情をも読みとることができました。

夢枕獏vs樋口真嗣の「大怪獣対談Part2」は堕落した時代の「ゴジラ」にダメだしをしたり
特撮について熱く語ったりして読み応え ありっ! であります。
怪獣は子どもを助けちゃいけません。
が、平成ガメラではそんなシーンもありました。
(だって、ガメラなんだもん しょうがないっす)
彼は特技監督だったので、ガメラ1の「つり橋のシーン」とか
ガメラ3の「渋谷で大暴れシーン(これは何度見なおしても素晴らしい)」では
いまいましく思いつつも撮っらざるをえなかったカットもあるんだろうな・・
と、そんな複雑な心情に思いを馳せたりしました。

夢枕獏の小説は読んだことがないけれど、
恐竜が大きいだけの「怪獣」に対し
現代兵器が刃が立たないことに疑問を感じていたそうです(タケゴンもそう思う)。
でも、江戸時代の武器であれば怪獣が互角に戦っても違和感がないと考え
「大江戸恐龍伝」を執筆中とのことですが
(すでに第五巻で完結してるようです)いつか読んでみたいと思いました。

[7]タケゴンさんからのコメント(2015年07月06日 21時05分02秒 )
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●大江戸恐龍伝 第一巻 夢枕獏

物語は明和八年(1771)、平賀源内がえれきてるを世に送り出す5年前から始まります。

むかし「天下御免」「天下堂々」というテレビドラマがあって
当時中学生だったタケゴン(及びその家族)は楽しみにしていた番組でした。
この主人公が平賀源内だったことから
歴史上の人物を好きになったのはこの人が初めてかもしれません。

「大江戸恐龍伝」は、その平賀源内が主人公です。
テレビでもそうだったけれど、本書でも多才かつ魅力的な人として描かれていて
今、この人を演じるなら堺雅人か田辺誠一か竹野内豊がエエかのぅ、等と想像しながら読んでます。

>江戸時代の武器であれば怪獣と互角に戦っても違和感がない
人と戦うことになるのは、どうやらキングコングやゴジラ等の「怪獣」ではなくて
中国や日本に古くから伝わり、最近ではドラゴンボールで耳目を集めた「龍」のことのようです。
「龍」は、当時も今も架空の神獣という認識ですが
「実在するらしい」そんな噂を耳にした源内が、その存在を暴こうと行動を始めます。
竜宮城に行った武士の話とかワルモノや長谷川平蔵なんかも絡んできて
本書は315頁もあるけれど、龍そのものはほんの一部しか出てきません。
第一巻は全体の1/5なわけで、超濃密なプロローグといえましょう。
続きがすぐに読みたくなる一冊でした。

[8]タケゴンさんからのコメント(2015年07月15日 14時49分47秒 )
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●大江戸恐龍伝 第二巻 夢枕獏

琉球よりも遠いどこかに「ニルヤカナヤ」という島、または国があって
そこには金銀財宝がたーくさんあって、どうやら龍もいるらしい。
ニルヤカナヤの謎に迫る源内はワルモノから狙われたりしますが・・・・

全五巻のうちの二巻目っつーことで、まだ起承転結でいえば「承」のところです。
本書には龍が暴れて人を食べたりする描写はありません。
源内と共に「謎」をとくことにページを費やしたり
ワルモノ一味とのスリリングな展開があったりで
タケゴン期待の「怪獣小説」とは色合いが異なるけれど
これはホントに面白い♪

[9]タケゴンさんからのコメント(2015年07月28日 20時17分20秒 )
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●大江戸恐龍伝 第三巻 夢枕獏

「えれき丸」が完成し、「ニルヤカナヤ」へ旅立つ平賀源内ご一行。
途中で立ち寄った、琉球でのエピソードがメインです。

ここ最近、辺野古基地問題で「沖縄独立」という言葉も何回か耳にしたことがあるけれど
純粋な琉球人の血をひく人は、そういう気持ちがわき上がっても不思議ではないのかも。。。
と、物語とは全く関係の無いことに思いを馳せてしまいました。

源内たちは、琉球でニルヤカナヤがどこにあるのかを知り、出発します。
グーグルマップなど無い時代、海で陸地を探す方法のエピソードがあって
ほぅぅ、なるほどー(^o^)と感心しました。
次巻はいよいよ上陸のようです。ついに本物の龍と対面か(*_*)

[10]タケゴンさんからのコメント(2015年08月06日 20時09分21秒 )
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●大江戸恐龍伝 第四巻 夢枕獏

>ついに本物の龍と対面か(*_*)
ネタバレになります。


はい、龍と対面します。
とても大変な展開になる第四巻でありました。

第三巻まで「龍の存在」の信憑性は平成の世を生きる私たちと
江戸時代の人たちとでは大きな差はなく(と思います)
想像上の神獣という概念の方が強いけれど
源内は様々な古文書や伝説などから「龍」の存在を浮彫にしてきました。
このあたりの推測がとても楽しいです。

しかし、本書では実在の「猛獣的な生き物」のような立ち位置で登場(*_*)
それと同時にファンタジー度が一気に上昇してしまいます。
ただし、「龍」は雲の間から恐ろしい姿で下界を俯瞰するイメージが強いのですが
(ドラゴンボールのシェンロンやまんが日本昔話のオープニング等が具体例)
ここではそのような非現実的に描写はありません。
あくまでも、もし存在したならば・・・
の延長線上にある恐ろしい生き物として描かれていて
今まで築き上げてきた世界観を壊しません。
また、鳥は恐龍のDNAを持っているのではなかろうか的なエピソードも挟まれて
思わずニマニマしてしまいました。
インディ・ジョーンズのように大活躍する源内さんであります。

しかし、、

こいつを江戸へ連れて行こうって、、、そりゃ、あんた無謀ってもんだ。
「絶対に思いとどまるべきだ」と、こちらから必死に念を送っても
きっと、本書のタイトルにふさわしい展開になっていくのでありましょう。

[11]タケゴンさんからのコメント(2015年08月16日 10時57分26秒 )
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●大江戸恐龍伝 第五巻 夢枕獏

>きっと本書のタイトルにふさわしい展開になっていくのでありましょう。

でした。
江戸に戻った源内さんの のんびりした描写から始まります。
とうことは、龍が船中ではおとなしくなっていたことを示唆しています。

龍は「見せ物」として、おとなしく檻に入れられてしまいますが
正当な理由があって檻が破られ、江戸市中を暴れないと
正しいクライマックスがやってきません。
かといって、源内さんが作った檻が「龍が暴れたから壊れた」
なんてことはあっちゃならんわけで・・・・

しかし、そんなことは心配御無用。

ずいぶん長い小説だったけれど、これまでに散りばめられた色々な伏線は
このためにあったのかとビックリ(*_*)しました。
ビックリしたのはそれだけではなくて
ここで明らかになる意外な事実に驚くことも多々あって
こんど、時間があったら最初からもう一度読みなおしたいと思ったりしました。

エピローグでは、ずっと伏せられていたことも明らかになって痛快です。
ラストシーンが素敵なので、さわやかな気持ちで源内たちとお別れすることができました。

映画化、希望。

[12]タケゴンさんからのコメント(2015年08月16日 20時04分05秒 )
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●よくわかる日本の国土と国境 吹浦忠正(監修)

大江戸恐龍伝を読んでいて「ニルヤカナヤ」は
どのあたりにあることを想定しているのかに興味があって、読んでみました。

海洋国である日本の国境とは?、、何をもって国と国の境としているのか?それはどこか?
等を深く考えたことは無かったのですが、興味を持ったときに確認しておくことも悪いことではありません。

タケゴンは、日本の法律が適用され、悪いことをすると警察が捕まえる範囲。
これを区画する境界を国境と考えていますが、違うようです。
尖閣諸島、竹島、北方四島へは近づくことさえできません。
この本は「国境とは何?」「どこ?」「国境の歴史」など、漠然とは知ってたけれど
よく知らなかったこともわかりやすく書かれていて、国民なら読んでおきたい一冊です。

本書の冒頭、「日本の位置」をどう説明するかに触れています。
ムカシ、、北極、南極には違和感がないけれど「極東」という地域名に接したとき
地球は丸いのに日本が「極東」なんてことはありうるのかと、違和感を感じたことがありました。
「中東」「中近東」とは、あのあたりを指す地名として何も違和感がなかったあたりは
タケセンサーの鈍さかもしれませんが、これらは全てヨーロッパから東を見たときに
近いところから近東、中東、極東と分けたものなのだそうです。
今も昔も「不穏な中東情勢」という言葉はよく聞いてきたけれど
『ヨーロッパが世界の中心なのだ』
そんな約束事が前提の世界観で言われていた事とは知りませんでした。
中東やアフリカを「不穏」にした張本人はどこのどいつだと言いたくなるけれど
越後のハゲオヤヂが憤っても、ごまめの歯ぎしりにもなりません。

注釈:越後
「越」とは遠いところを意味してるそうでして
都(京都)に近いところから越前、越中、越後と命名された。
というようなことは司馬遼太郎の本で知りました。

[13]タケゴンさんからのコメント(2015年08月28日 09時07分39秒 )
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●文藝春秋 2015年9月号

文藝春秋は、新聞の広告で見出しを読むことはあっても
私にとっては敷居が高く、店頭で手にすることは無かった雑誌です。
でも、話題の「火花」が掲載されているので初めて購入しました。


・火花 又吉直樹
第153回芥川賞受賞作。
単行本はしばらくの間、本屋で売り切れの状態が続いていました。
「無い」となると読みたくなるのが人情なのかも。

物語は、テレビ・雑誌などに接していると自然に知ってしまっている内容でした。
日常ではあまり使わないような単語が所々使われていて、文学的な印象です。
でも、ラストの展開はタケ的には受けいれがたいものでありました。


・スクラップ・アンド・ビルド 羽田圭介
第153回芥川賞受賞作。
又吉さんと同時受賞ということでニュースではやや影が薄い印象ですが
芥川賞候補になったのは四回目とのことで、実力のある書き手のようです。

認知症のじいちゃんと再就職活動中の孫とのハナシがメインです。
認知症に関し、身内のみに許される(注釈1)
言葉の暴力・感情がユーモアを交えて生々しく綴られています。
そうなった環境になったものでないと わからないかもしれないけれど
認知症になった父と暮らし、再就職活動も体験したタケゴンは興味深く読みました。

注釈1
許されません。
介護職員初任者研修で習いました。


・芥川賞選評
すげー厳しいっす(*_*)
週刊誌に載っている通常のブックレビューは
その本のどこが良いかが書かれているけれど
「芥川賞選評」は情け容赦なく作品を批評していて
この世界の厳しさを垣間見た気がします。
作者は批判された所に注意して次作で「完璧」を目指すことになるのだろうから
もしかすると、厳しい批評は「情け容赦」あるものかもしれないけれど
こんなに厳しい文章に接したのは新鮮でした。

[14]タケゴンさんからのコメント(2015年09月15日 17時38分07秒 )
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●報道できなかった自衛隊イラク従軍記 金子貴一

日本の自衛隊は、イラク復興支援のためにサマワに派遣されました。
湾岸戦争のときは、お金だけ出して人は出さないと批判されてたようで
イラク戦の復興には「人も出して支援します」と言わざるを得なかったのかもしれません
「よく決断した。拍手を送りたい」「何であんなところに・・危ないぞ」
そんな複雑な気分になったことをよくおぼえてますし
ひとりも犠牲者が出ずに任務が終了して良かったと
身内や知ってる人はいないけれど、とてもホッとしたことも良くおぼえています。

「報道できなかった」とあるので、とても大きな事件が隠蔽されてたのか?
と、そんな邪推を少し持ちつつ読みました。
でも、「報道できなかった」のは民間人が同行してたことは当面は秘密だったのが大きな要因のようです。
何故著者がスカウトされたかのプロローグから、サマワに着いてからのドタバタも興味深く、
キチンとスケジュールどおりに計画が進んだわけではないことを知りました。

自衛隊基地の「地主さま」たちとの交渉は、本書のキモといえましょう。
タケゴンも前職時代に「地主様との用地交渉」はたーーーくさんやってきましたが
その困難さとは月とスッポンほどの違いがあって、心から「おつかれさまでした」と言いたい。
また、今は国会議員となったヒゲの隊長の事も書かれています。
この人がいたから成功したのではないかと思うエピソードがあって、私はファンになりました。
「サマワのいちばん暑い日:宮嶋 茂樹」は昔読んだけれど、もう一度読み返そうと思ってます。

安保法案がもうじき可決されようとしています。
タケゴンは「集団的自衛権の行使」はこりゃもう、当然のように賛成ですが
(だって、一国平和主義は成り立たない)
この法案と一緒に出されている
「PKO参加のハードルは下げます法案」(正式名はわかりません)
は、反対したい。

絶対反対。

[15]タケゴンさんからのコメント(2015年11月02日 10時55分07秒 )
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●お腹召しませ 浅田次郎

日常会話に翻訳すると「どうぞ切腹してくださいね」というニュアンスになりましょうか。
幕末、婿のしでかした不祥事の責任をとらねばならなくなった舅のお話。
著者がこども時代に爺さまから聞いたエピソードがハナシの芯にあるようです。
自分自身には全く落ち度が無いのに「家を守るために死ななければならないなんて、なんて理不尽な」そんな思いを共有できるユニークな語り口でお話が紡がれますが、突然っグッ(;_;)とくるような展開も用意されていて、そんなあたりに浅田節を感じます。

幕末を舞台にした短編小説集です。

今、朝ドラは江戸時代から明治に変わった大阪が舞台になっていて、楽しく毎日見ています。
「びっくりポンや(*_*)」の名言は、あまちゃんの「じぇじぇじぇ」に匹敵する流行語になると思うけれど、絶妙なタイミングで発せられる「びっくりポンや(*_*)」にニマニマしてしまいます。

幕末から明治になるときに大変だったのは庶民だけでなく、末端の武士たちも大変な事だらけだったのは推測できるけれど、どのように大変だったかのエピソードが浅田節で綴られています。
同じ時代を舞台にした「五郎治殿御始末」もあるけれど、本書はもっと庶民に近いひとびとの物語で面白かったです。

そんなことより、是非とも映画化してほしかった
「ハッピー・リタイアメント」がテレビドラマになりました。
>樋口慎太郎は中井貴一か佐藤浩一かアベちゃんがええのぅ。
と妄想してたけれど、妄想が現実になって嬉しかったです。
クライマックスは毒が抜かれてテレビ向けになっていたけれど、これはこれで良かったと思ってます。

[16]タケゴンさんからのコメント(2015年11月05日 15時15分58秒 )
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●いわゆるA級戦犯―ゴー宣SPECIAL 小林よしのり

図書館通いするようになってブックオフから遠ざかっていたけれど、
久しぶりにブラリと入り、おっ、、あれが108円、
この本も108円なのねん(^o^)と発見したのが本書です。

靖国問題になると必ずといってよいほど連発される「A級戦犯」。
また、プロ野球等でヘタをこいたり、ブレーキになった選手の名前をあげて
「A級戦犯は○○!」と使われることがありますが
東京裁判において「A級戦犯」として裁かれた人たちは、
具体的にどういう悪さをして、どんな罪があるのでしょうか。

タケゴンは「米国との戦争を始めた時の国の指導者」
という漠然としたことは知ってるつもりでした(←まちがい)。
東条英機はその代表で「いわゆる靖国問題」が勃発するまでは、
日本の歴史の中では悪役的な存在という認識でした。

本書は「A級戦犯」として逮捕され、罪が確定した28人のことが主に綴られています。
処刑された人は7人、獄死した人は7人、名誉を回復した人は14人います。

処刑された人の中では東条さん、広田弘毅さんの事は詳しく書かれています。
残りの方々は、よしりんが書いた肖像と文章で当時どのように働いたか、
どんな人なのかがわかりやすく綴られていて、
日本の歴史の中で悪役として描かれる人たちも、
悪意を持って動いていたのではないことを知りました。

名誉を回復した人の中では重光葵さんの事が詳しく書かれています。
誰もが見たことはあると思いますが、ミズーリ号で降伏文書に調印した人がこの人で
「A級戦犯」なのに、釈放後は政界に復帰して、
国連で立派な演説をした人であることも、始めて知りました。

「東京裁判」なんて無意味だと思ってたけれど、読んでみて、その思いがさらに強くなりました。
意味を見いだそうとすれば、時代が連合国側への「生け贄」を求めていて、
それを「いわゆる合法的っぽくに選ぶ手段」として東京裁判があったんだろうと考えてます。

巻末には数十冊の参考文献が列挙されています。
本書は、ここから吸い取ったエッセンスが
よしりんの主観でまとめられたものと理解してます。
最近のよしりんの言動には少しついていけない思いもあったりするけれど、
本書はとてもためになる一冊でした。

[17]タケゴンさんからのコメント(2015年11月12日 05時37分05秒 )
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●西原理恵子の人生画力対決 @,A

武蔵野美術大学卒業の西原理恵子と多摩美術大学卒のしりあがり寿が
「己の記憶と漫画人生のみで勝負をいどむ新連載」
とのことで、一回目のお題が「ブラックジャック」だったりするわけだけど、ホントに美大を出たのか?って感じで面白そうなので♪2冊を衝動買い(ただし、ブックオフなので「衝動」のハードルは低い)。

しりあがり先生との対決のあとは みうらじゅん、藤子不二雄A、ちばてつや、やなせたかし、江口寿史、吉田戦車、松本零士、浦沢直樹、、等々、超一流の先生方がサイバラ先生の挑戦を受けてたっていて、あらためて西原理恵子の人柄を感じさせてくれます。

どうやら下書きも見本もなく、子どもの頃に誰もが書いた「落書き」のような絵の上手・下手を競っていて、オリジナルを知らなければ全く勝負になりません。
でも、そんなあたりもテキトーに書いたりしていて面白いです。
タケゴンはサイボーグ009ならばサイバラ先生といい勝負ができるかと思ったりしました(^_^;)

>武蔵野美術大学卒業の西原理恵子と多摩美術大学卒のしりあがり寿
タケゴンも子どものころは「将来はマンガ家」になりたいと夢をみたことがありました。
同類の友だちとお互いの「作品」を週に一度持ち寄って読書会してたんだけれど、
タナカとアラ(ビアン)の画力は小学生なのにプロ級で(マジっす)自分の才能の無さを自覚したのは早かったです。
「絵がうまい」と褒められて育てられてきたけれど(*^_^*)
「井の中の蛙大海を知らず」という言葉に接する前に自分は「井の中の蛙」であることを認識し、早々にマンガ家への思いを断ちました。

二十歳くらいの頃、駅前のスナックでタナカと偶然会って彼は武蔵美、アラ(ビアン)は多摩美に入ったことを知ったけれど、やっぱり君たちは凄いヤツらであったのじゃのぅと再認識したのを思い出します。もう何十年も会ってないけれど「KUSO作戦」(タナカ作(下ネタ))のそれからを読みたくなりました。

ただ、本書を読んで絵がヘタでも「味」があればマンガ家としてやっていけるみたいじゃん(^o^)ということも知って、挫折するのが早すぎたかもなぁ、、、と、そんなことも思ったりしました(^_^;)

[18]タケゴンさんからのコメント(2015年12月02日 16時12分11秒 )
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●千葉流 サムライへの道 JJサニー千葉

千葉真一の半生記。
キル・ビルを観て千葉真一がアメリカではサニー千葉と名のっていることを知りましたが、正式には“JJサニー千葉”なのだそうです。
このJJとは“Justice Japan”“正義の日本”とのことであり、そういうことをキッパリといいきってしまうあたりにカッコイイだけではない、別の人間味あふれる人柄を感じさせてくれます。
そんな人柄を彷彿とさせる思想・文体で綴られる現代版の武士道。
サムライとしていかに生きるべきかが語られ、タケゴンもかくありたいと思ったりします。
(このまえ「おぎやはぎの愛車遍歴」に出てました。日本での芸能活動では千葉真一と名のっているのかもしれません)

はじめて千葉真一を見たのは小学校時代に見ていたキイハンターでした。
アクションが迫力あるし、カッコイイし、お茶目だし、当時のガキンチョのあこがれの存在だったと思います。
たぶん、子どもが知ってる芸能人の中では加藤茶と人気を二分してた。あんな大人になりたいと思っていたけれど、風貌は志村けんに似てしまったタケゴンなのであった。

「足のいいヤツ・カリーナ」のCMでは「決まってるね、チバちゃん」のコピーがきまってました。
https://www.youtube.com/watch?v=nSS76AVEJ8M
↑今見ても、チバちゃんもカリーナもカッコよいです(^o^)
タケゴンも昔カリーナに乗ったことがあります。
トヨタではセリカGT-FOURの後くらいに発売された乗用車のフルタイム4WDってのが最大の決定要素だったけれど「チバちゃんの足のいいヤツ」の系統を受け継ぐ車だから、これが良い。ってのもあったかな。

その後に印象深いのは「仁義なき戦い 広島死闘編」です。
仁義なき、、の中では一番面白かった印象があるけれど、こんなチバちゃん(超悪役)見たくなかったというのが率直な感想でした。それを演ずることになった経緯も書かれていて、精神的にどのようにこの役と向き合ったかを知った今、もう一度観たいと思いました。

[19]タケゴンさんからのコメント(2015年12月27日 06時09分24秒 )
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●モンスター 百田尚樹

自分を虐げた人たちへ美しくなって復讐を遂げ、ずっと想い続けていた男さえも自分のモノにしようと計画し、実行する女のお話。

ここんとこ、小説らしい小説から遠ざかっていたと反省し、タイトルとマネキン人形のようなツルリンとした女性の姿が印象的な表紙に惹かれて借りてみました。
出てくる男がスケベでゲスな感じのヤツらばかりな印象ですが、そうでなくては物語が成立しないので、しょうがないかもしれません。

タケゴンは一時期「植毛」について少し考えたことがあるけれど(^^;)たとえ高額なお金を払って植えたとしても抜けたらおしまいです。それを維持していくには毛髪のために働く生活になっちまうし、毛を生やしたところで今の生活にどれだけプラスになるかといえば、まったくならないという結論に達し、現在に至ってます。
最近は見なくなったけれど、美容整形して「こう変わった」というような番組をやっていたけれど、美しく変わった姿を見て感動したこともありました。
テレビでは、どうすると「美しく見えるのか」の解説もあったけれど、本書でも「美しさ」の解説もあり、なるほどなぁと思ったりします。

本書の主人公はテレビでお金をだしてもらうわけにはいかないので、整形費用捻出のために風俗産業で働きますが、そんなに稼げるのかとビックリ。
また、美容整形と風俗産業の裏側はこうなっているのかと、そんなあたりも勉強になりました。

勉強してどうするって感じだけど(^_^;)

[20]タケゴンさんからのコメント(2016年01月28日 10時13分38秒 )
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●決闘!関ヶ原 火坂雅志 松本清張 ほか 末國善己(編)

「関ヶ原」に関する短編小説集。

一番最初に「関ヶ原の戦 (松本清張)」があって、秀吉が亡くなるところから始まり、合戦があり、三成が斬首されるまで、タイトルどおりの物語になっていて「関ヶ原」全体を俯瞰することができます。

これ以後、次の人たちが主人公で「関ヶ原」に関連する色々な物語を色々な人が書いてます。

直江兼続(家康の野心を皮肉たったぷりに指摘した直江状が痛快です)
徳川秀忠(真田の上田城を落とせずに合戦に遅刻。本田正信が名誉挽回の策を練る)
島左近(三成の侍大将、三船敏郎を思い浮かべて読みました)
松野主馬(小早川秀秋の部下。彼だけは裏切り行為に走らなかったらしい)
蜂谷与助(徳川方のスパイとして大谷吉継の配下として暗躍)
島津義弘(関ヶ原ではどちらにもつかずに傍観。決着がつくと敵中突破して帰路につく)
宇喜多秀家(落ち武者狩りに遭うが匿われ、助かる。美男子だったらしい)
石田三成(「清涼の士」の副題どおり。規則を破ったのは家康なのに・・)
上泉主水泰綱(上杉家の客将、剣の達人)

東西の軍勢はほぼ拮抗し、関ヶ原での布陣は西方有利。そして、秀吉時代に作った規則を破った張本人は家康なんだから「正義は勝つ」の法則でいけば三成が勝っても良さそうだけれど、時代の流れは家康にあって「勝った方が正しい」「勝てば官軍」というのはムカシからの事なのだということを再認識しました。

それにしても、三成さん。
自分の命を救ってくれた家康なのに、その恩を忘れて「秀吉時代に作られた法の正義」を大義名分にして戦いを挑んだわけです。
自分自身の良心との葛藤は無かったのだろうか?結果的にはやらなくても良い戦いを始めたばっかりに(家康の思うつぼ)、多くの優れた人たちが命を落としてしまい、もったいない。そんなことも思ってしまいます。

[21]タケゴンさんからのコメント(2016年02月04日 16時44分51秒 )
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● 三谷幸喜 創作を語る  三谷幸喜,松野大介

「真田丸」が快進撃を始めました。ちょっとしたところで「うふ」と笑ってしまうエピソードを挟むあたりに「脚本:三谷幸喜」を感じてしまいます。
来週は、はやくも「本能寺の変」ですが「清洲会議」での信長のモノローグとリンクしてるのか(してないと思うけど)、興味津々です(*_*)

本書は「やっぱり猫が好き」から「清洲会議」、「大空港2013」まで、三谷幸喜が手がけた作品の創作秘話からなり、松野大介という方のインタビューに答える構成になってます。
創作の裏話はエッセイでも語られたりするけれど、これは松野さんに聞かれなければ話せない事項も赤裸々になってるので、興味深く読みました。

「ギャラクシー街道」は、この本のあとで作られた映画です。
タケゴンは★★★☆としましたが
http://djmoko.tip.ne.jp/moko_slink/102292_83.html
評論家にはあまりウケなかったようです。
どんな思いでこれを受け止めたのか「三谷幸喜 創作を語る パート2」(をぜひ作ってください)で読んでみたいっす。

[22]タケゴンさんからのコメント(2016年03月27日 08時49分12秒 )
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●街道をゆく 羽州街道、佐渡のみち 司馬遼太郎

司馬遼太郎は、タケゴンに小説の面白さを教えてくれましたが「街道をゆく」は初めてです。「佐渡のみち」というところに惹かれました。

佐渡は前職時代に何度も行ったけれど、訪れるところは地すべり対策が必要な斜面や間伐が必要な山林の現場だったり「相川の役所」ばかりで観光地には行ったことは(ほぼ)ありません。
ただ、佐渡にはムカシのエライ人が流されてきた過去があるわけで、道を走っていると歴史が静かに眠っている。そんな風情を感じることはありました。

司馬遼太郎は風情を感じるセンサーが繊細なわけで、地元の人でも知らなかったことをこの人の知見で推測して行くと、はたしてそうであった。みたいなことがあって、サクサクと歯切れの良い文体とあいまって、興味深く読みました。

この人に発掘されなければ歴史の中に埋没してたであろう「辻藤左衛門」のハナシは正義の人の短編小説を読むようであったし「無宿人の道」は佐渡金山に連れてこられた流人がいかに哀れであったかもわかりました。
新潟県では「佐渡金山を世界遺産に」と運動しているようだけれど、なんだかなぁ、、という気分にもなります。

羽州街道編では上杉景勝や直江兼続のハナシがありました。
家康にケンカ上等!ってくらい過激な手紙を書いて挑発したことはよく知られているけれど、その後どうなったのかはあまり知らなかったです。歴史の流れが「徳川」に決定づけられ、噛みついて敗れた人のことには一般大衆の興味が薄れるのはしかたがありませんが、本書を読んで知りました。

今、ちょうど大河でこの人たちが出てるけれど、新潟県人としても彼らを応援しながら見ていきたいと思ってます。

[23]タケゴンさんからのコメント(2016年03月27日 09時31分20秒 )
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●親鸞 上 五木寛之

タケゴン家は浄土真宗ですが「南無阿弥陀仏」を唱えれば極楽浄土に行ける。その宗祖がこの人ということくらいしか知りません(*^_^*)

母は平成4年、父が平成7年にいったとき、近所の住職さんから来てもらってお葬式をしました。なんか、ありがたいお話をされたような記憶があるけれど、ずいぶんムカシのことなので忘れかけてます(-_-;)
世間一般に「お葬式をしなければならないのでやった」という概念でしかなかったような気がしますが、、、それでいいのだ(とは「バカボンのパパの声」による心の声)とも思ったりする昨今。
しかし、不肖はもうすぐ59才になるわけで、自分はどのように弔われたいのか?について興味を持ってもよい年頃になりました。そんなときに目についたのが本書。

仏教とは?浄土真宗とは?魂は本当に極楽浄土に行けるの?誰も見たことはないはずなのに何で?極楽浄土って天国みたいなものと考えて良いの?本書はそんなことを教えてくれるのでしょうか(?_?)

全部で単行本6冊あるようですが、親鸞−上−では、まだ親鸞は出てきません(^_^;)
じゃなくて忠範(ただのり:子ども)、範宴(はんねん:青年)が親鸞になると思われますが、彼は子ども時代に魅力的な人たちと出会ったり、比叡山に入り修行も重ねますが、ファンタジーなエピソードがあったり冒険小説みたいなハラハラ・ドキドキな場面もあって面白いです。

親鸞が源平合戦のころの人であることは、歴史の授業で習っていたのだろうけれど、わかりませんでした。本書では舞台背景とリンクしていることもあって、明確に心に刻まれました。

[24]タケゴンさんからのコメント(2016年03月27日 09時41分46秒 )
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>全部で単行本6冊あるようですが、親鸞−上−では、まだ親鸞は出てきません(^_^;)

ちがった8冊みたい。
去年は「大江戸恐龍伝」にハマったけれど
今年は「親鸞」にハマりたいと思ってます(^_^)/

[25]タケゴンさんからのコメント(2016年03月27日 19時19分27秒 )
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>ちがった8冊みたい。
これもちがった(-_-;)
親鸞、激動編、完結編の上下で6冊なのでありました。
五木寛之さんの親鸞関係だと「親鸞と道元」ってのもあるようなので
7冊読了をめざしてがんばりたいっす(^_^)

[26]タケゴンさんからのコメント(2016年03月31日 11時14分10秒 )
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●親鸞 下 五木寛之

南無阿弥陀仏を唱えれば、誰もが救われる。悪人でも救われる。
ということになると、好き放題やらかして死ぬ間際に念仏を唱えればいいじゃんか。そんなことを思ったことがあるけれど、親鸞−下−ではそれを真剣に考えて実行するような不届きモノもあらわれます。

決してそんなことを推奨しているわけではないのだけれど、阿弥陀如来の教えは「誰もが救われる」ということらしいので、主人公(範宴−綽空−親鸞)やその師、法然さまは否応もなく事件に巻き込まれていきます。
とある場面では、私自身も「どう答えるべきか」を真剣に悩みました。「親鸞は流されて越後に来た」ということは知ってたけれど「何故、流されたのか」も本書でわかりました。

前職の上越勤務時代「CBRの仕事(道路の舗装構成を決めるため、現場から土を採取して室内土質試験を実施。試験結果に基づいて、計画された交通量に対して壊れない道路をつくるには、良質な土をどれだけ入れ替えれば良いか。または、現場の軟弱土に固化剤をどれくらい混ぜるかを決めて、最も経済的となる舗装構成を提案する)」
の未舗装市道の現場近くに「えしんの里 記念館」があって、水田地帯の一画なのに近代的な建物があるものよのぅ、、。と、それほど気に留めることもなく通り過ぎてましたが、この物語に出てくる恵信さんのことなのではなかろうかと推測され、興奮気味に読了しました。

[27]タケゴンさんからのコメント(2016年04月20日 06時17分13秒 )
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●司馬遼太郎短篇全集 第四巻

親鸞を読みつつ平行して読んだ一冊が本書。
「第一巻」は、ギリシヤや中国の神話めいたハナシが多くて途中で挫折してしまったのですが、本書は日本が舞台になっている短編からなります。

八咫烏(やたがらす)は、読んでいくと日本の神話なのだということがわかります。日本が産声をあげようとしていた頃のご先祖さまたちに思いを馳せました。

「飛び加藤」「果心居士の幻術」はマンガに出てくる忍者っていうよりもマンガ的な幻術を使う忍者が主役です。
いくらなんでも無理。物理的には絶対無理です。っていうような荒唐無稽なことをやってしまうわけですが、歴史にちゃんと名前が残っている人たちのようです。
恐龍の化石から「ジュラシック・パーク」のような映画ができるわけですが、古文書に残る微細なエピソードを基に正しく推測して肉付けしていくと、こんなお話になるのかもしれません。
にわかに信じられないけれど、ミスターマリックのような人が過去にいたと思えばあながち荒唐無稽なこととは言い切れないように思ってしまいます。

>むかし、和州高取の植村藩に、ブリキトースという威力のある大砲が居た。居た、としかいいようのないほど、それは生きもののような扱いを、家中から受けていた。

という書き出しから始まる「おお、大砲」は幕末の物語。
この「居た。居たとしかいいようのないほど、、、」という文体に司馬さんの魅力を感じがしますが、こんな感じで物語にいざなわれると、もうこの物語の虜になってしまいます。
一気に読んで、読み終わったあとのさわやかさも素敵でした。

[28]タケゴンさんからのコメント(2016年04月29日 20時29分18秒 )
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●親鸞 激動編(上、下) 五木寛之

上は越後、下は常陸における親鸞の物語になっています。おそらくは、その時代に彼はそこ(今で言えば新潟県と茨城県)にいた。というような記録が残っているんだと思います。そうであれば、、このような事件・事実があったのかもしれませんがファンタジーの占める割合が大きいような印象です。

哲学的な固いハナシをある程度は期待しつつ読みはじめ、ここまできたけれど、そのウェイトは小さいです(たぶん、そんな小説だと途中で挫折してたと思います)。
タケゴンが知りたいことは、重要場面で個性的な登場人物と親鸞との問答に時々おりこまれている程度ですが、その匙加減が絶妙です。
また、親鸞の危機に際し、あのとき命を奪われたハズ、、の人や都にいるときに関わった人たちも、ここぞっ!というところで出てくるので長編小説の醍醐味を感じます。

下巻の終わり頃には唯円も登場。
この人はたぶん、これから大きなウェイトを占めてくると思うけれど、61歳の親鸞は常陸から再度、都に戻るようであります。
今までは主人公が不肖よりも年下でしたが、これからは年上の人になるわけで、体力・気力の衰えも親鸞の日常には影響を与えるはずであり、それらとどのように対峙していったのであろうか。
そんなことも楽しみに、完結編に突入したいと思ってます。

[29]タケゴンさんからのコメント(2016年05月18日 05時56分08秒 )
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●親鸞 完結編(上、下) 五木寛之

61才にして京都に戻った親鸞の物語。
ここでは竜夫人、覚蓮坊(かくれんぼう)等、色濃いキャラクターが登場しますが、、もしかして、この人はあの人ではなかろうかと推測しつつ読む楽しみもあって、このあたりも長編小説ならではの味わいがあります。

下巻の裏表紙というのか、表紙の裏側に登場人物たちが勢揃いしているマンガがついています。
善鸞の嫁、涼(すず)さんに はぁとマークがついていて、思わず笑ってしまいました。美しくて一途なんだけれど、とても困ったちゃんのところもあって、人間味あふれる魅力的なキャラでありました。

全編を通して親鸞と敵対するのは「悪人もすくわれる」すなわち「悪いことをしてもよい」と確信犯的にわるいことをするヤカラだったり、そんなヤツが増えてはこまるので「念仏禁止」にしたかった当時の権力者だったりしますが、その考えは、タケ的には理解できます。
でも「それは間違った解釈なのだ」と信念を曲げなかった親鸞の考えは広く支持されたわけで、結果的には今を生きるタケゴンにも繋がっています。
今まで、自分んちの宗教にはそれほど興味が無かったけれど、もう少し勉強してみようかとそんなことも思いました。

[30]タケゴンさんからのコメント(2016年05月18日 15時51分20秒 )
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●司馬遼太郎短篇全集 第六巻

1962.5〜62.11とありますので、半年弱でこれだけのモノを書いたのかと驚いてしまいます。戦国末期と江戸末期の物語が半々くらいでしょうか。

昔「国盗り物語」「燃えよ剣」「世に棲む日々」を読んでますが、その大筋とは少し離れたところで起こってた「事実(なんだと思います)」を知りました。
もちろん小説なので「事実」と「事実」の中間のエピソードや「このときこの人がどう思ったか」なんかは司馬さんの推測と想像なんだろうけれど、読み始めると一編を読了するまでやめられない面白さがあります。
とくに「池田屋異聞」は山崎烝が主人公になっていて、とても興味深かったです。

[31]タケゴンさんからのコメント(2016年06月08日 21時24分02秒 )
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●司馬遼太郎短篇全集 第七巻

1963.1〜63.6とありますので、またまた半年弱でこれだけのモノを書いたのかとビックリです。

これも戦国末期と江戸末期の物語からなりますが、江戸末期のウェイトが多いようです。
「奇妙なり八郎」「花屋町の襲撃」「虎徹」「前髪の惣三郎」は若い頃、文庫本で読んでたので記憶がよみがえりました。
「上総の剣客」は初めて読みましたけれど、ラストシーンのみ、何だったかの司馬小説で読んだ記憶があります。この父子にはこのようなエピソードがあったのかと深く感じ入りました。

「伊賀者」は戦国末期のお話で「元の木阿弥」の語源がこんなところにあったことを初めて知りました。ネットで検索すると、ちゃんと説明されているので知らなかったのはタケゴンだけかもしらないけれど・・・・

「軍師二人」は大阪の陣が舞台になっていて、真田幸村と後藤又兵衛が「二人」に該当します。
ほぅ、、このような確執が二人にはあって、それぞれの言い分にはそれなりの正義があったことも知りました。
ここんとこは、間違いなく「真田丸」のクライマックスになると思われます。泣くかなぁ、、きっと涙無くして観れないであろうのぅぅと半年先の感動を想像してしまいました。
後藤又兵衛は、もこみちさんが最近の大河で演じていたけれど、今回はどなたがやられるのでしょうか??

と、検索してみると、ほぅ、、なるほどっ豪快な人が担当ですね。ますます今後の展開が楽しみです。

[32]タケゴンさんからのコメント(2016年06月12日 20時43分37秒 )
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●老後の資金がありません 垣谷美雨

老後の資金は○千万必要。というような記事が年に数回、週刊誌に載ることがあるけれど、はたしてそんなに必要なのだろうか?
タケ亭にはそんな大金はありません。でも、65才になれば頂ける(と思われる)年金(夫婦合わせて)があれば、贅沢しなきゃなんとかなりそうな生活設計をしています。

この物語の主人公、後藤篤子さんも庶民にしてみたら、ほぅっ(*_*)というような貯金はあるようです。しかし、何故にこれが不足なのか、これがどうやってなくなっていくのだろうか?もうすぐ「老後」になるタケゴンとしては、とてもキャッチーなタイトルでありました。

どうやら娘の結婚式で相当持っていかれ・・・というような出だしのようであります。この秋にセガレがついに結婚式をあげるので、とても興味深いプロローグであります。
そして、「子どもが結婚する」年頃ということは、親は「介護」が必要な年齢になっている世帯も多いと思いますが、篤子さんもそうであり、そのあとに訪れる葬儀にもお金がかかってしまいます。

ふむふむ。。。
「身の丈に合ったことをしなさい」と、心の中で思いつつも物語に引きこまれましたが、私自身も両親の喪主をしたときに一番下から2番目の祭壇にしたことを思い出し、見栄をはるのもわかるような気がします。

ですが、この他に別の要因で後藤篤子さんは崖っぷちに追いやられていき、とても読むのが辛くなったりしますが、姑が絡んでくるあたりから物語の色合いが変化してページをめくるスピードが加速しました。

利用者さま(認知症の方)の年金が一家を支えている。
というような家族が少なからずあることを「介護職員初任者研修」のときに習ったけれど本書にもそのような事例がエピソードにあって、犯罪がバレた家族はその後どうなるのだろうか?そんなことも他人事ながら心配になりました。

犯罪抑制、、の効果はあると思われるので、テレビドラマ化希望!

[33]タケゴンさんからのコメント(2016年06月25日 06時38分01秒 )
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●はじめての親鸞 五木寛之

長編小説「親鸞」を書いた五木さんが親鸞について語った講演集。
「親鸞と道元」は少し読んだのですが、立松さんとの対談で構成されていて、哲学度が高いです。タケゴンは途中で挫折しちゃってスミマセン。
本作は講演で話されたことなので、親鸞初心者のタケゴンもわかりやすくてよかったです。

所々キャッチーなコメントも挟まれてまして「造語」に関し「ものわすれします」という五木さんに対し「あっ、老いるショックですね」と、みうらじゅんさんが返したハナシがあって、おいらも老いるショックだとニマニマしてしまいました。
そんなこんなで、実際にも講演を聴いてみたいと思う一冊でありました(^o^)

[34]タケゴンさんからのコメント(2016年06月29日 19時41分30秒 )
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●司馬遼太郎短篇全集 第八巻

1963.7〜63.12とありますので、またまた半年弱でこれだけのモノを書いてたわけで、すごい。全てが幕末モノで圧巻です。

この本ははじめて読みますが、ほとんどが読んだことがあるような気がしてます。たぶん短編小説集の「幕末」は昔読んでいるので、ダブっているものが多いと思いますが、若い頃読んだ記憶がよみがえり、血潮が熱くなりました。

「英雄児」は河井継之助が主人公で「峠」を思い出しつつ読みました。幕末には各地でいろんな英雄が出現しましたが、多くは官軍側です。今現在は、勝った人たちの価値観で作られた歴史の延長線上にあるわけで、勝てば官軍。勝った側に正義があるのでしょうがありません。
では、負けた側は「正義ではない=悪」だったのかというと、そうではなくて、負けた側に河井継之助がいてくれてよかったです。「英雄児」や「峠」には彼の正義と人柄が綴られていて、カッコイイ男のひとつの典型がここにあります。

・・・とは言っても、彼がいなければ戦はなかったのかもしれないし、長岡城下が戦場になることは無かったかもしれません。そんなことから地元・長岡での評価はいろいろあることも聞いたことがあります。

小さな藩に過剰な軍備があったことの是非について考えると、どうなんだろう。読み終えた後、再びわたしの中でも葛藤が始まっていて、結論は出そうにありません。

[35]タケゴンさんからのコメント(2016年06月29日 21時06分07秒 )
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●十字路が見える 北方謙三

週刊新潮はかかりつけ医院の待合室にあって、目についた記事しか読まないけれど、先日は待ち時間が長く、はじめて北方さんのエッセイを読みました。
とても男くさい文章に接して思わず引きこまれてしまいました。で、まとめて読みたいと思って手にした一冊。

河井継之助をカッコイイ男の典型と書いたけれど、北方謙三もずいぶんカッコイイ。
旅に出る話があるけれど、豪快にあっちこっち出かけられる行動力に唖然としてしまいます。命が危なかったエピソードさえもさらりと書かれていて、とってもハードボイルドです。

映画、車の話もあるけれど、どれをとっても男くさく、今を生きる男があこがれる男の姿はこれでしょう。最後には読者に語りかけたり挑発する文章も用意されていて、トドメをさされてしまいます。

[36]タケゴンさんからのコメント(2016年07月15日 19時30分39秒 )
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●カリコリせんとや生まれけむ  会田 誠

前職時代、車で現場に向かうときはNHKラジオを聞くことが多かったけれど、NHKなのにすごいゲストを呼ぶもんだと思ったのがサイバラさんと会田さん。
ふたりとも、帰ってからどんな人なのかをネットで検索しましたが、生放送なのにホントに冒険したもんだと思ったのは会田さんでした。
図書館通いするようになって「MONUMENT FOR NOTHING」を借りて鑑賞しましたが、題材はともかくも絵の緻密さにおどろいたのは、読書倶楽部1に書きました。

本書は会田さんが「星星峡」に連載したエッセイとのことです。そんな雑誌の存在は知らなかったけれど、本人も知らなかったと後書きにあるので、知る人ぞ知る本なのかもしれません。

はたして「天才」はどんな文章を書くのだろう?興味津々で読み始めました。彼の生いたち(なんと、タケゴンの隣町小学校出身であった)や芸術に対する姿勢が綴られていたり、締め切りに間に合わないという理由で、奥さま(も芸術家)が書いたところもあったりして面白いっす。

作品の表現方法や題材は、とても挑発的なものもあるけれど、彼の美術作品から想定される過激な文章はほとんどなくて、拍子抜けする感がなきにしもあらず。ですが、ほのぼの系のエピソードも書かれていて、芯の部分はちゃんとした人なんだということもわかり、ホッとしました(本人は、そんなんで良いのか?とエッセイに対して自分に問うてるあたりも興味深い)。

[37]タケゴンさんからのコメント(2016年08月31日 09時54分34秒 )
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●私はテレビに出たかった 松尾スズキ

松尾スズキといえば、あの「ちかえもん」に出ていた人ではなかろうか(調べてみると)うん、やっぱり近松門左衛門をやった人だ。ということがわかり、たぶんこの人がいかにしてテレビに出れたか・・を語る半生記に違いないと読んでみたら全然違ってました(=_=)

主人公は一見、どこにもいるようなしがない中年サラリーマン。でも、彼は心の中で「テレビに出たい」と思ってます。そんな時、勤務する会社のCMに出ることになってしまう。しかし・・・・

気がつけば、エッセイまたは時代小説を好んで読んできましたが、思わず手にした「娯楽小説」面白かったです。
「ちかえもん」と同じくらいのテレビシリーズでドラマ化されたら面白いんじゃなかろうか。いろんな配役が頭に思い浮かんできて、それを想像しつつ、ページをめくるのも楽しかったです。

[38]タケゴンさんからのコメント(2016年09月05日 09時51分41秒 )
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●千思万考 天之巻 黒鉄ヒロシ

「せんしばんこう」とは、初めて接する四文字熟語です。
「千回思って万回考える」ということだと思いますが、歴史上の人物を黒鉄さんが鋭く考察しています。それぞれに「絵」もついているので、読み手による妄想も容易であり楽しい一冊でした。

日本の地を初めてふんだ英国人、ウィリアム・アダムスが何故「三浦按針」になったかは聞いたことがあった気がします。
でも、アダムスさんと一緒に漂着したヤン・ヨーステンという方は「耶楊子(やようす)」という日本人となり、八重洲という地名はこの人に由来するということは、初めて知りました。

二人とも、まさに「オトコの旅は片道切符」を地でいった漢達であった。

と結ばれていて、カッコイイ生き方をした「漢」は後世の人からもカッコイイと思われるわけで、軟弱中年男(タケゴン)はあこがれてしまいます。

忠臣蔵の黒鉄的「新!?」解釈は目からウロコでした。この推定が事実だったりすると吉良さんかわいそうです。
東郷平八郎と西郷さんのかかわりにも触れられています。西郷さんがいなければ、東郷平八郎の英国留学はなかったかもしれず、西郷さんの人柄に感謝したい。
再来年は西郷さんが大河ドラマになるようですが、若き日の東郷さんが出てくるのかなぁと、そんなことも、ふと思ったりしました。
細川ガラシャさん。ちょうど大河でもやっていたところなのでタイムリーでした。

>ちょうど大河でもやっていたところ
「犬伏の別れ」
すごーーくよかったです。泣くろうか?と心配してたけれど、心配敵中(T_T)
兄弟で別の道をゆくことになるわけで、以前見たNHKの歴史考察番組(タイトル忘れた)だと、真田家を残すため父による指示があったのではないか。。。というような発言があって、きっと草刈さんがそう言うと思ってました。
しかし、今までは「大名でもない父上が何故?」を二回繰り返して父に叱責されてしまったり、ややもすれば二枚目半担当の大泉さんが真田家分割案を発案し、父も「よい案じゃ」と彼を認めたわけで、信幸の心情を知るタケゴンはとても感動しました。
このあとの兄弟ふたりのシーンもよかったですね。大河ドラマの歴史に残したい「犬伏の別れ」でありました。

[39]タケゴンさんからのコメント(2016年10月04日 20時49分25秒 )
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●千思万考 黒金ヒロシ

歴史で遊ぶ39のメッセージ とのことで、どうやらこれが第一巻目のようです。

歴史に名を残した人々の簡単な「伝記」のようなものですが、いいことしか書いてない書物と違って「えっ この人にはそんなエピソードもあったのか」ということがわかったりして面白いです。

たとえば・・・
伊藤博文は長い間千円札の肖像であり、個人的には「とてもエライ人」という認識です。子ども時代から思っていました。司馬遼太郎の小説を読んで、若い頃の姿も想像できるようになったけれど
「とても女好きで、明治天皇から諫められても止めなかった」
ということは、書かれてなかったような気がします。しかし、本書でそんな一面を知ることができました。この当時に週刊文春が無くて良かったですね。


●千思万考 乱之巻 黒金ヒロシ

このシリーズ三巻目。
西太后が何故「西」太后なのか、今まで疑問にも思わなかったことをこの本で知りました。
また、リンカーンの素顔にも焦点があてられていて、どうして南北戦争が勃発したかについても知ることができました。

新渡戸稲造については一巻目でも触れているけれど、ここでは国際連盟事務局長時代に裁定したスウェーデンとフィンランドの領土問題について詳しく述べられていて興味深いです。

この他に、人物だけでなくて「富士山」の歴史についても触れていて、どうかまだまだ噴火しませんように。。と祈りつつ、本を閉じました。

[40]タケゴンさんからのコメント(2016年11月21日 20時59分01秒 )
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●獅子吼 浅田次郎

「ししこう」と読むと思ったら「ししく」でして表紙にライオンが吼える姿が描かれています。また、帯には「ライオンも、象も、駱駝も、戦争はしてねがんす」とあって、吉村貫一郎の子孫が日清、日露戦争で獅子のように戦うけれど、戦争に対しては「思うところがあるんでがんす」というような物語を期待して読みましたが、全然違ってた。

主人公はだれなのか、何時の時代のことなのか・・すぐにはわからないような構成になっていて、推定がペリペリと引き剥がされる快感に近いものを感じつつ読みました。本書はタイトルの物語を含む短編集で、タケ的には「獅子吼」と「帰り道」が印象にのこりました。

「帰り道」は、これから高度経済成長時代が始まろうかという頃のお話で、当時の若者が東京から新潟にスキーに行く物語です。
当時はスキーウェアなんてよばずに「アノラック」と言ってました。タケゴンも子どもの頃はアノラックを着てたけれど、今はそんな呼び方してないですね。フード付きコートとか、パーカーとか、マウンテンジャケットとか言ってるけれど、昔は一括してアノラックと呼んでたような気がします。
藤沢周さんの小説で新潟の内野(タケゴン棲息地域)が舞台になっている小説で「アノラック」という単語がでてきたのを懐かしいと思った以来の懐かしさでした。
時空を超えて物語が紡がれますが、そっか、、そうだったのか。と少々胸キュンする感じに浅田節を感じてしまいました。

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