「飛行機雲2007」観てきました。
映画は完成してしまえば、それで終わりですが、舞台は何度でも改変ができるのがいいところ。毎年、毎年、「今年は去年よりも良かった。」と思える作品です。
そして、観客も演劇の魅力を高めるのに一役買っています。
例えば、特攻していくシーン。映画では、実際に飛行機を飛ばしたり、CGを使って再現することができます。
演劇ではそうはいきません。舞台の上で、役者の演技と照明や音響などの演出で表現する事になります。
映画に比べて迫力不足?いえいえ、そんな事はありません。そこで足りない部分は、観客自身が想像力によって補うのです。
出撃していく緊張感、青空に飛び立つ特攻機、被弾し制御不能になった飛行機、隊員達の痛み、そして、悲しみ。
それらのイメージ、感触を、観客が頭の中で作り上げるのです。
舞台は、役者と演出、そして観客が一体になって、できあがっている。
それえゆえ、演劇の成功は、いかに観客の想像力に訴えるか、にかかっている、とも言えるでしょう。その観客も、世代がばらばら、今回初めて観る人、から何度も観てる人までいるんですから、決してハードルは低くない。
(難解な台詞と演出について行けなくて、一部の観客が置き去りにされてしまう事は、演劇では多々あります。演劇は時として観客を選ぶのです。)
それでも、2000年から毎年上演されている。「すごい事だなー」と、本当に思います。
素晴らしい脚本、巧みな演出、がんばってる役者の皆さん。そして、良い観客。
良い循環で、ずっと続いて欲しい作品です。
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