宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」の一節ではありませんが、私の祖母の話です。
私の父方の祖母は今年93歳。
今は、老人性の痴呆のため、介護施設に入所しています。
私の自宅からは車で40分ほどなので、時々会いに行きます。
昨日は、祖母の住んでいるところのお墓参りだったので、帰りに寄ってきました。
介護施設は普通の家を改装してお年寄りが何人かで暮らしているところなのですが、職員にはボランティアの若い人たちを含めかなり大勢の方がいます。
その方たちはとても明るく親切で、気持ちのよい雰囲気です。
私の祖母は身体は丈夫なのですが、今はほとんど人の区別がつきません。
それでも、そんな状態の中、涙ながらに「いつも世話をかけてすまないね。」「申し訳無い」と繰り返し言うのです。
人間、痴呆が進んでも、脳の奥底にある感情が出てくるとしたら、祖母の心の中には、人様に迷惑をかけてはすまない。という気持ちがちゃんと残っているのだと思いました。
私が将来年をとったとき、そんなふうになれるだろうか。
ふとそんなことを考えました。日ごろから回りの人たちに感謝する気持ちがなかったら、急にそんな風にはなれません。
痴呆になったらなおのこと。反省の日々です。
職員の方もそんな祖母を本当に大切にしてくれます。
長生きしてもらいたいです。
そんな祖母のような人に私もなりたいと心から思った一日でした。
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